The man 奴隷句.

妻の肉親が、僕のエゴイズムを非難した。

大学や学会の先輩や友人が僕の堕落を非難した。

僕の田舎の家族やその隣人たちが、かれらの《希望》の転落を嘆き、非難した。

僕はかれらすべての者の非難を正当だと思う。

しかし僕はエゴイズムの名を逆に武器として自分の手に握っている。

僕のエゴイズムが僕にこの行為を要請したのだ。

僕は上昇の階梯にのって欺瞞の日常をおくってきた。

いま欺瞞からのがれ、真実の自分に近づくためには、今まで上昇しつづけた高みから激しく下降せねばならないのだ。