園田智代子のチョコっとブログ♪

chiyoko ちょこっと ダイアリー

七夕の飾りは揺れて想い出は帰らず

ねえ、鳥?死と生の分岐点に立つたびに、人間は、かれが死んでしまい、かれと無関係になる宇宙と、かれがなお生きつづけ関係をたもちつづける宇宙の、ふたつの宇宙を前にするのよ。そして服を脱ぎすてるみたいにかれは、自分が死者としてしか存在しない宇宙を後に放棄して、かれが生きつづける側の宇宙にやってくるのね。そこで、ひとりの人間をめぐって、ちょうど樹木の幹から枝や葉が分れるように様々な宇宙がとびだしてゆくことになるわ。わたしの夫が自殺した時も、そのような、宇宙の細胞分裂があったのよ。このわたしは、夫が死んでしまう側の宇宙に残されたけれども、夫が自殺しないで生きつづける向うがわの宇宙には、もうひとりのわたしがかれと一緒に暮しているんだわ。