園田智代子のチョコっとブログ♪

chiyoko ちょこっと ダイアリー

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おれは娘たちと、その周囲の男たちのまえに立って、それらすべての者らに敵意と憎悪をこめた眼をむけ黙ったままでいた。かれらすべてがおれを見つめていた、おれは《右》だ! おれは他人どもに見つめられながらどぎまぎもせず赤面もしない新しい自分を発見した。いま他人どもは、折りとった青い草の茎のようにじゅくじゅくと自瀆で性器を濡らす哀れなおれ、孤独で惨めなおどおどしたセヴンティーンのおれを見ていない。おれを一目見るやいなや《なにもかも見とおしだぞ》といっておれを脅かす、あの他人の眼で見ていない。大人どもはいま独立した人格の大人同士が見あうようにおれを見ている。おれはいま自分が堅固な鎧のなかに弱くて卑小な自分をつつみこみ永久に他人どもの眼から遮断したのを感じた。《右》の鎧だ! しかも、おれがなお一歩踏みだしたとき娘らは悲鳴をあげたが、足が竦んだように逃げることもできないのだ、おれは娘らの熱い血がどきどき脈うつ胸のなかの恐怖に性欲を、それも精神の喜びをそそられた。

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